「母乳が赤ちゃんにとっていいもの!」
最近、よく言われるようになり、
「離乳食を始めるまで、母乳以外のものを与えないように!」
と、指導する産婦人科が、増えてきました。
良い理由のひとつとして挙げられているのが、
「母乳が、赤ちゃんの免疫力を高めるから」というもの。
その一方で、生後半年経つと、
お母さんからもらった免疫は失われる・・・
などと聞くことも(;゚Д゚)!
そこで今回は、
- 母乳が、赤ちゃんの免疫を高めるというのは、本当?
- だとしたら、効果はいつまで?
- 母乳をあげている間は、風邪をひかない?
- 半年を過ぎたら、母乳に意味はないの?
などなど。
母乳で、赤ちゃんを育てている、あなたに知ってもらいたい!
「母乳と赤ちゃんの免疫に関するホントのところ」をご紹介します。
この記事さえ読めば、母乳の真実が分かりますよ~!!
では、早速見ていきましょう!
赤ちゃんを感染症から守る免疫は、大きく分けて2つある!
お母さんからもらった免疫・・・という言い方をする時、
その「免疫」には、2つの種類があることをご存知でしたか?
免疫の種類!
- 「分泌型IgA」(免疫グロブリンA)
母乳に含まれる免疫。
消化管の病気に対して、威力を発揮する - 「IgG」(免疫グロブリンG)
胎盤を通して、赤ちゃんに移行する免疫。
麻疹・風疹・水疱瘡といったウイルス感染症に、威力を発揮する
生後半年で、ほぼなくなると言われているのは、
お母さんのお腹の中にいた時、胎盤を通してもらった「IgG」のほう。
なぜ、赤ちゃんが1歳になるまでの間に、
予防接種で、たくさんのワクチンを打つのか?
それには、お母さんからもらった「IgG」による免疫力が、
低下してきてしまうから、という理由があったんですね!
では、母乳に含まれる「IgA」の方は、どうなんでしょう?
母乳さえ飲んでいれば風邪をひかない?
母乳に含まれる「IgA」は、
特に、初乳にたくさん含まれていることが、分かっています。
分娩台の上で、生まれたばかりの赤ちゃんをだっこしたり、
そのまますぐ授乳する「カンガルーケア」を、
取り入れる産院が増えています。
それには、「母子のふれあい」以外に、
「初乳を飲ませるため」という目的もあるようです。
なぜ、初乳が大切かというと・・・
IgAたっぷりの初乳が通ることで、
粘膜に免疫物質が塗られます。
免疫物質を吸収することで、
それ以降の、感染症予防効果が、期待できるからです。
一説によると、
初乳100ccの中に、2~4gも含まれていたIgAが、
出産4日後には、約10分の1にまで減ってしまうというから、
初乳の重要性が、分かりますよね。
ところで、母乳に含まれるIgAは、初乳をピークに減ってはいくものの、
完全になくなってしまうわけではありません。
なので、
「半年を過ぎたら母乳を飲ませる意味がない」
というのは間違い!
私も、親戚から、
「ミルクのほうが栄養があるから、切り替えるべき」
なんて言われたことがありますが、
半年後の母乳に価値がないのかといえば、そんなことはないんですね!
母乳に含まれるIgAの濃度は、下がっていくものの、
赤ちゃんが飲む量が、多くなっていくので、
結局、赤ちゃんが取り込めるIgAの量は変わらない!
とする説もあります。。。
ただし、一般的によく言われる、
「母乳さえ与えていれば風邪をひかない!」
と、いうことはありませんね(^_^;)
胎盤から赤ちゃんに移行する免疫も、母乳に含まれる免疫も、
あくまでお母さんが持っている免疫!
お母さんが持っていない免疫は、
赤ちゃんにあげることができません((((;゚Д゚))))
[
そのため、
お母さんが太刀打ちできない(抗体を持っていない)ウイルスに対しては、
赤ちゃんに免疫が移行しないので、ミルクを飲んで育った赤ちゃん同様、
感染するリスクがあります。
「母乳だけで育てていたのになんで!?」
などと、慌てないために、ここは押さえておきたいポイントですね!
まとめ
免疫のことを考えたら、母乳はいつまで続けるべき?
離乳食も進んできたし、
周りのお友達は卒乳する子もでてきた・・・
けど、今母乳をやめたら、
免疫がなくなって病気になってしまうのでは?
そんなふうに心配している、お母さんもいるかもしれません。
母乳に含まれる免疫は減っていきますが、
一方で、赤ちゃんはだんだんと自分の体内で、
免疫を作れるようになっていきます!
また、いろいろな病気にかかりながら、
自分の抗体を、獲得していくものです。
もちろん、状況が許すなら、
子供が、自然とほしがらなくなるまで、
授乳を続ければいいと思います^^
ですが、もしあなたが、「卒乳は今がチャンス!」
と思っているのなら、免疫についての心配を一度取り払い、
卒乳した場合のメリット・デメリットを総合的に考えて、
決めることをおすすめしますよ♪
母乳育児のメリット・デメリットは、こちらに詳しく書いてます。
→母乳育児のメリットはよく聞くが・・・デメリットってあるの?